任意売却で新たな人生を踏み出したケース
Tさんは、東京都内に会員制の高級エステ店を持つ実業家でした。
商売は順調で、着実に顧客を伸ばし、エステティシャンの奥さんと二人で裕福な暮らしを楽しんでいました。
ところが2008年のリーマンショックを境に、エステ店には閑古鳥が鳴くようになってしまい、自宅の住宅ローンをなんとか支払っているような状態に。
このままだといずれ住宅ローンの支払いも滞り、滞納が続けば競売にかけられると、慌てて相談にこられました。
Tさんのお考えは、次のとおり。
「自宅を売却して住宅ローンを返済し、夫婦二人が暮らせれば小さく条件の悪い物件でもいいので早く身軽になりたい。事業は縮小し、妻と二人三脚でまた1からやり直したい!」
Tさんのマンションは、築10年、70平米の3LDK。都内で駅から近いところにあります。新築当時は5000万円でしたが、地元の不動産会社に査定してもらったところ現在でも、3500万円前後で売れそうだということがわかりました。
購入時、5000万円のうち1000万円はTさんの預貯金で支払ったため、借入額は住宅金融公庫と住宅金融専門会社を利用して、それぞれ2500万円と1500万円の合計4000万円。当時の残債は、住宅金融公庫に2150万円、住宅金融専門会社に1450万円の合計3600万円です。
Tさんには、すぐに任意売却を勧めさせていただきました。
Tさんは当初、任意売却をするにあたり、金融機関の信用情報(ブラックリスト)に載ってしまうことに抵抗を見せていました。
しかし任意売却の以下のようなメリットをお伝えしたところ、「この先も改善の見通しが立たないのだから任意売却が最善だ」と納得したご様子で、任意売却の手続きに移行いたしました。
- ・周りに事情を知らせず売却が可能
- ・競売以上に債務を減らすことが可能
- ・引越し費用や新生活に必要な最低限の費用を持ち出すことを許可される可能性もある
- ・残った債務については無理のない範囲で返済できる
結果的に任意売却は成功し、マンションは3400万円で売却。200万円の債務は残ったものの、Tさんは身軽になって、御夫婦で新しい道へと進み始めています。