知人に任意売却して住み続けられたケース
商店街の一角に昔ながらのお豆腐屋さんを営んでいた、Kさんご夫婦。ところが、近くに大きなショッピングモールがオープンすることになり、お店を閉めることになりました。
Kさんのご自宅は、1階が店舗で2階が住居。1階のお豆腐屋さんは閉めることになりましたが、長年住み続けていてご近所付き合いも多く、「このまま2階の住居には住み続けたい」と希望されていました。
店舗兼住居は家賃がかからないので、これまではなんとか営業を続けてこられましたが、自営業であるKさん夫婦は、今後、国民年金に頼るほかありません。
この時点で考えられる選択肢は、次の3つ。
- ・店舗兼住居を売却する
- ・店舗部分を賃貸に出す
- ・店舗部分を売却する
そんな折、Kさんの息子さんの友人A氏が、カフェバーを開業するための場所を探しているという話を耳にします。
A氏は若くして外資系の保険会社で働いていて貯蓄も多く、新たな自身の夢の為、開業したいとのこと。息子さんも交えて何度かA氏と相談をくり返したところ、A氏がこの物件の1階部分を購入してくれることになったのです。
しかし、店舗兼住宅の住宅ローン残債は、リフォームローンを含めて1500万円ありました。1階部分の売却価格は1,250万円だったので、これから無職になるKさんには、債務の返済と家計のやりくりが難しいと判断。このままでは今後住宅ローンが支払えなくなり、現在の住居にも住み続けられなくなるかもしれません。
そこで弊社から、1、2階の物件全てを任意売却することを提案させていただきました。具体的には、このままKさんご夫婦が2階部分に住み続けるために、A氏に住居まるごと購入していただき、2階住居部分を賃貸する方法です。
この方法なら、住宅ローンの完全返済に加え多少の金額も入ってくるので、家計を圧迫しすない計画が立てられます。任意売却なら支払えない住宅ローンに苦しみ、いずれ住居も手放すことになる危機を回避できるのです。
A氏は、1、2階全てを購入することを快諾。結果的にKさんは、住居全てをA氏に任意売却しました。現在、ご夫婦は2階住居部分の家賃を払っているとはいえ、売却後も以前と変わらない生活を送られています。